海の京都から届いた、
ロマン溢れる藤布

 明治時代からちりめんを織る機屋として創業し、その後、丹後藤織り技術の伝承活動をはじめた4代目 小石原将夫さん。そして、その想い、技を継承する5代目 小石原充保さんのおふたりに、今回お作りいただいた袋帯「青のさざめき」について語っていただきました。

 「藤布は、万葉集などでも詠まれていましたが、大正以降、幻と言われており、廃絶したといわれていました。しかし、藤布について調査していくと、なんと丹後の漁村で発見されたのです。実は、丹後半島の山間部では藤布が織られており、海と山の人が交流していたということがわかったのです。藤はもともと生命力が強い植物で、その丈夫さと、そしてその生命力にあやかりたいという古代人の想いからうまれ、着る物として大切にされてきたのではないかと思います。地元の人のみ知られており、表にでることはなかったのです」と丹後の知られざる歴史から、今回の袋帯「青のさざめき」のインスピレーションを得たといいます。

「表地は絹に藤の糸、そして銀糸や紬、真わたなどで織り込んでいます。裏地はうろこ紋様で仕上げました。龍のうろこを模していることから、古くは厄除け紋様として使われていたとも言われているそうです。表地の藤の糸は、使い込むほどに色合いが変化するので、時間と共に色合いが深くなっていく様子が味わえます。そして、丹後の海で発見されたという想いを映したいと思い、今回この帯に丹後の海を表現しました。帯の表地に織り込まれた藤の糸は、凹凸によりひとつひとつ表情が違い、まるで丹後の海にさざめく波のようにも見えませんか?原点にある本質をこの糸が伝えてくれたり、長い歴史を語りかけてくれたりする、そんなものであって欲しいと思っています」

と目を輝かせながら藤布のロマンについて語ってくださった小石原さん。まだまだ尽きないお話はトークショーでお楽しみください。

トークショー〈遊絲舎〉小石原充保氏による「藤布の魅力」
9月24日[日]午後2時~2時20分
7階 催物会場

丹後ブルーをイメージした、美しい色合い。藤糸、絹、真わたなどを織り込みました。

遊絲舎
袋帯「青のさざめき」388,800円_絹65%・指定外繊維(藤)20%・金属糸15%
7階 催物会場

小石原将夫・充保 PROFILE

明治時代に丹後ちりめんを織る機屋として創業。4代目 小石原将夫が古代布「藤布」と絹織物を融合させた作品をつくる〈遊絲舎〉を立ち上げる。5代目 小石原充保は結城で修業を経て家業に就き、2010年京もの認定工芸士に認定される。

MENU